かけらのかけら

ジャニゴトとか日常とか好きなものを好きなだけ

毒と普通のはなし

 

ちょっとだけ旅に出ましたの話をします。


ミュージカル『悪魔の毒毒モンスター』を観てきました。

あ、ほんとは翌日も『Endless SHOCK』を観る予定だったわけですが……コロナあんちくしょうめに潰される。コロナ絶許。


その話は後でする。


つまるところ東京に乗り込んだんですが、道中いろいろギョッとすることだらけ。あれ日本は死んだの?

伊丹空港も人が少ない。なんか乗った便がアレだったのか、それとも連休中日で移動がそもそも少ないのかわからないんだけど、飛行機が空いてる。窓際すら空いてる。

空港に行く時に乗ったモノレールは、万博公園駅でどかっと下車して行ったけどね……それにしても何か、ちょっと怖かった。というか、私っていけないことしてるんか?みたいな気持ちにもなった。唯一救いだったのが、乗ったJALがいつも通りのサービスを実施してくれたこと。いつもの素敵な笑顔で迎えてくれたこと。

 


羽田から都心に移動する時もうっすら怖いなぁなんてことを思っていて、たまに芝近辺とかで公園に親子連れがたくさんいたり、テントがちらほら見えたけど。

高輪ゲートウェイ駅はわんさか人いるし、東京駅ちょっと空いてるし、かといって、アキバは人が多く見えたし、なんだこれ。すごく曖昧。


とか言いながら、悪魔の毒毒モンスター、観てきました。


実は、SHOCKが中止になったことで、正直このままフツーに観に行っていいんだろうかとも思ったんです。

SHOCKはいろんな事も勘案して中止って判断に至ったのだろうけど。

 


けど、自担が頑張ってる姿は見たい。リスク背負ってまで見る必要あるかって言われると、ない。

けどまあ、このまま規則正しく自粛が続いたら、経済が死ぬ前に私の心が死ぬ。と思った。

死んだらなんも楽しめねえ。

それに私は、毒毒14日の公演が振替になったんだけど、振替はもう行けないことがわかってたので。

 


エンタメはまだ心から楽しめる段階ではないかもしれない。けど、幕が上がる、そこに惜しみなく注がれる労力を見届けたい。と、わたしは飛行機に乗り込んだのだった。

 

私にはまだ幸いなことに仕事がある。(というか、多分すぐにコロナの影響が出ないのかもしれない)

でも、友達の中には、会社が倒産することになって、いま必死で仕事探してる子もいる。


そりゃ出歩く人は出歩くけど、あの得体の知れないものを前に、自粛してね、なんて言われたら大多数が自粛するやろし。

なんか、お金配っても自粛が続いたらどうにもならん気がしてる。出るお金もないけど、そのお金が回らんかったら入ってくるお金もないわけでして。


私はきちんと自分の働いたお金で、楽しんで、どこかにお金を払って、それが誰かの生きる糧になるんだったらそれはお互い様なんじゃないかなと思う。ので、使いたい。つうか何も考えずに使いたい。私も誰かの支払うお金でご飯食べさせてもらってるしオタクやらせてもらってる。別に今始まったことじゃないんだけど、ずっとその繰り返しで成り立ってたってことは、こういう時じゃないとちゃんと意識しない。

 

 

自己責任論の風潮が強いのかしら。

イベントも何もかんも、主催者の判断でやってね。て。

そら……あれだけのお金と時間をかけてきたものが何の補償もされないなら、感染リスク下げる努力してやるとこもあるだろーよ。ファンだって、やりません!中止!ってなった方が幾ばくか楽な人もいるだろうし、なんだか難しいなあって。(嫌なら行かなければいい、払い戻せばいい、という考えもあるだろうけど、これってステージに立つ人の顔が見えるからこそ、そこまで割り切るのもなかなか難しい人もいるでしょうし)

主催者の判断のもと。私たちは自分の責任のもと。でも、感染するかもってリスクだけじゃなくて、無症状でウイルス持ってたら、感染させるリスクまで負ってるわけでして、ねえ。なんだかねえ、と思ってしまう。


難しいねえ。

なんだか東日本大震災の時とは違う、すこし歪な自粛ムードを感じます。

 

 

ということを途中まで考えて、本編はめちゃくちゃ笑ってきた。楽しむときは楽しまないと演者さんスタッフさんに失礼。

Twitterで、「子供に見せたくないミュージカル」って書いてあるの見かけたけど、なるほどなって。笑

底抜けに下品だけどパワフルでまっすぐ。ブラックユーモア、なんだかタイムリーなやつある?とも思いながら、マスクの下で笑ってしまいました。

ペンラ振るのも楽しかった。両隣のお姉さんもお一人さまだったので、なんか淡々とペンラ振るの気楽。


福ちゃんはいつもどこか陰のある……というか、すこし心の弱さとずるさを抱き合わせたようなキャラが多いけど、今回、あっ!なんか良かったね!!て観終わって素直に思いました。

そしてあんまりカテコとか喋らない福ちゃん。それでも素敵だった。こういう時だから言葉はいらないと思うし、演者さんが目一杯楽しんでたら、ああ幸せだな、と感じられる。

だから、無事に千秋楽まで幕が開くように祈るばかりです。私とかみんなが生きてるのも、舞台の幕が開くのも、当たり前じゃない。

 

なんか、平日が普通に仕事なもんでして、割と今回のこの落差のようなものから遠かったんだけど。

思いのほかショックだったかもしれない。ショックというか、なんかこの、この、変な不自由さ。いつも通りに楽しむのは、悪なのかしら、とさえ思ってしまう。


いやもしかしたら、そことちゃんと向き合わないといけないのかも、などと思ったのであった。そこを間違えたら、ぜんぶ殺してしまう。

 

いま深草で下車した子たちは、私の遠い後輩なんかなぁ。なんか、先輩が大学に雀卓持ってきて昼休みに遊んでたのを思い出す。そんな旅の終わり。

今日はしっかり手を洗ってうがいして、よく眠ろう。